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2018.06.14 ( Thu )

2018年度6月市議会 一般質問 その2

その2 茨木市の行財政運営について

市の行・財政運営とその基本となっている「ビルド&スクラップ」とは

①市の行・財政運営の基本として「ビルド&スクラップ」という文言を使い出したのは「野村市政」からと記憶しています。その後「木本市政」に引き継がれ、「福岡市政」では市長が一番気に入っている文言です。

②最近の市の幹部会議でも、市長は「ビルド&スクラップの概念なくして自治体運営が成り立たない」と訓示しています。言語明瞭、意味不明のこの言葉。これまでもたびたび質疑しても明瞭な答弁がありませんでした。今回、はじめてその定義と目的を明確にしました。
 
③そもそもこの言葉を自治体運営の基本として、提唱したのは北川正恭元三重県知事と三菱総研です。「地方行政は人口減少、高齢化で財政面で大きな課題に直面している。しかし「将来への投資」すなわち政策的経費はわずか。そこで政策的経費すなわち投資的経費確保を目的として、経常的経費のすえおき又は削減を主張しています。
 
④今回の市長をはじめとした答弁では、ほほ同趣旨の答弁をしました。それは策定中の「市民会館跡地基本計画」がいよいよ本年度中に必要経費を明確にする時期を迎えたからです。

⑤税金の使い方の優先順位についても質疑しました。茨木市の収入は国からの税金と市独自の税金で構成されています。国からの税金は茨木市の年間必要行政経費を国の基準で計算しその合計額は大きく6つの経費で構成されています。(基準財政需要額)
一方、市の税金も国の基準で計算され、いわば標準的な状態で徴収しうる税収です。(基準財政収入額)
そして(基準財政需要額)から(基準財政収入額)を差し引いた額が国から普通地方交付税として交付されます。
これらの税収の使い方は地方自治体の独自の判断で基本的には決められますが、実際の使い方の優先順位は国の指標を参考にするべきというのが、私の主張です。
たとえば茨木市は北摂7市の中で、基準財政需要額の市民1人当たりの額では7位と最下位ですが、6つの経費の内の教育費は第1位です。茨木市の場合、幼稚園、小中学校の児童生徒数が相対的に多いからです。全員中学校給食の財源が議論となっていますが、それだけ国からの税金が措置されているからには優先的に配分されて当然です。 

2018年6月市議会一般質問-茨木市の行財政運営について

【畑中議員1問目】本市の行財政運営についておたずねします。
5月25日の政策推進会議(庁議)で福岡市長は3人の特別職と18人の部長級に向けて、「本市財政について、職務するにあたって、財政に対する理解と意識が欠かせません。改めて本市の財政状況の理解の浸透をお願いします。理解すべきポイントは大きく4点です。収入として、①市税収入は増えているが、②その分、国からのお金が減るので決して財布が大きくならないこと。支出として、③社会保障、福祉の経費が毎年数億円レベルで増え続けている、④公共施設の修繕更新費用も多額となっている。その他行政ニーズが増大しているため、ビルド&スクラップの概念なくして自治体運営が成り立たない」と発言したとされています。収入に関わる発言などは行政のプロとしての職員の皆さんにあらためて訓示しなければならないとしたら、それこそ大問題です。市長のこうした発言になった理由と現象をお示し下さい。市長はあらためて今回「ビルド&スクラップの概念なくして自治体運営が成り立たない」と発言しました。そこで「ビルド&スクラップ」の定義なのですが、第一に、「よりよい茨木市をつくるには「今」と「将来」に必要な取り組みが不可欠」第二に「しかし使える財源は限られているから、サービスの見直しによる財源確保も不可欠」第三に「そのためにビルド&スクラップの実践が不可欠」としています。そこで市長におたずねしますが、1つ目に、そもそもビルド&スクラップの適用は経常的経費のみで投資的経費は対象になっていないのでしょうか。2つ目に、ビルドにしてもスクラップにしても、その優先順位は誰がどのような方法で決めるのでしょうか。「見える化」が不可欠です。見解を求めます。3つ目に、3月市議会で河合副市長は「「ビルド&スクラップ」の中での、「スクラップ」ということは、これは一定、特に必要があって実施をしたとして、現時点においては役割を終えた事業、こういったものを「スクラップ」をして適正化をはかっていくということ。その他また、積み重なっている経常経費の中に無駄がないか、そういった視点で実施をしているものでございまして、何か特定のことをするために、何か特定の事業を取り上げて「スクラップ」を無理やりすると、そういったものではないという認識をしております」と答弁しました。しかしこれまでの「教育行政における新規事業は教育行政の見直しの財源から生み出す」としてきた答弁の趣旨は変質してきています。あわせて新規に大型プロジェクトを立ち上げる場合は、少なくとも既存のプロジェクトの「見直し」が不可欠ではないでしょうか。それぞれ答弁を求めます。

【1問目答弁】【福岡市長答弁】庁議における市長、私の発言等についてですが、市政運営におきまして財政状況を認識することは基本でございまして、日々の職務におきましても、忘れることなくあたっていただきたいということで、折を見てその点については触れて行こうという趣旨でございます。何か具体に支障があったということではございません。

【1問目答弁】【福岡市長答弁】ビルト&スクラップの対象経費についてです。総合計画の中に定める財政計画において、健全財政を確保する取組みとして、「ビルト&スクラップの実践による経常事業の見直し」と示しておりますとおり、経常経費を対象としております。
また、ビルト&スクラップの優先順位等についてです。毎年ローリングを行う実施計画における検討やその方向性を踏まえた予算査定での議論の中で、事業の効果、あるいは財政負担、市民の皆さまへの影響等も十分に考慮した上で、限られた財源の中で優先順位をつけ事業採択しているものでございます。

【1問目答弁】【河合副市長】ビルト&スクラップの考え方についてです。
 新規事業の検討の中では、政策の中でのバランスや優先度を踏まえて個別の検討を行うものでありますが、毎年の予算編成では、事業全般において「新規・拡充(ビルド)に要する財源は、既存事業の見直し(スクラップ)により対応すること」を基本姿勢として、これまでから実施してきているものであります。答弁の趣旨が変わって来ておるというご指摘でございますが、私の前回の答弁につきましては、「スクラップ」についての基本的な考え方に焦点を当てて答弁をさせていただいたものでございまして、それぞれの文脈の中でとらまえ方が変わったということであろうかと思いますが、本質のところはこういうことでございます。一定、スクラップを積極的に推進をすると、いわゆる積もった経常経費、また、役割を終えたスクラップ事業をきちっと見直すということについては、これは一定新しい事業が出てきた分野においては、そういう可能性もありますので、しっかり見直しをして欲しいとそういう趣旨は今も続いております。また、新規事業のところでの優先順位というのも、各分野の中で一定考えなければならない。またその上で市全体としての優先順位も判断していくものと、そういうプロセスが必要であると考えております。
 なお、新たな主要プロジェクト等の実施にあたりましては、今後10年間の収支見通しである「財政計画」において、既存事業の必要性の検証や経費の精査もふくめたハード事業の適切な選択等の取組みによりまして将来の財政負担を考慮しながら、健全財政を確保のもと計画的に進めているものでございます。

【畑中議員1問目】この機会に市民会館跡地エリア基本計画に基づくすべての経費の概算額算定の時期をお示し下さい。

【1問目答弁】【秋山企画財政部長答弁】市民会館跡地エリア活用基本計画に基づくすべての経費の概算額算定の時期についてですが、施設整備に関する経費につきましては、基本構想における試算から、建築面積や単価の精査を行うなどした概算額を、本年中を目処として、お示ししたいと考えております。しかし、農水省の用地取得など、相手方との調整が必要な案件や、文化財の発掘調査に係るものなど、現時点では想定できない経費につきましては、事業を進める上で適切な時期にお示ししてまいります。

【畑中議員2問目】市長の財政運営発言について、重ねておたずねします。「折に触れ、確認のため」ということですが、地方交付税制度の「いろは」を発言しなければならない意図が理解できません。ひょっとしたら市長自らを戒める発言なのでしょうか。発言するなら、市民1人当たりの標準財政規模額が北摂7市で一番低いのはなぜか。同じく基準財政需要額も基準財政収入額も最低及び低位なのはなぜか。一方、市民1人当たりの基準財政需要額のうちの教育費と産業経済費は第一位なのはなぜか。教育費は幼稚園、小・中学校の学級数や児童・生徒数で決まります。よって「一人の落ちこぼれも出さない」と抽象的なことを言う前に、教育予算の増額。中でも、中学校給食実施への財源措置をすべきです。答弁を求めます。いずれにしても茨木市の地方交付税制度の現状と方向の分析と解明を求めます。市長と副市長の答弁をそれぞれ求めます。
次に「ビルド&スクラップ」についておたずねします。「ビルド&スクラップ」の対象経費は経常的経費のみというそもそもの意味と目的をお示し下さい。また「次なる茨木」と称する大型プロジェクトを含む普通建設事業費は「青天井」で財政上の総枠の歯止めを設けないという意味と目的をお示し下さい。そもそも「ビルド&スクラップ」は北川正恭元三重県知事が三菱総研とともに提唱した理論です。それでもビルドの場合も、スクラップの場合も「市民への見える化」が不可欠としています。茨木市は充分できているでしようか。おたずねします。

【2問目答弁】【河合副市長答弁】庁議での発言の意図については、市長の先ほどの答弁のとおりであると存じております。

【2問目答弁】【河合副市長答弁】本市の地方交付税の現状についてです。
 基準財政収入額につきましては、市税や普通交付税等に係る市民一人当たりの額が他市より低いこと、一方、基準財政需要額につきましては、高齢者の人口や生活保護率等が影響して、それぞれ低位になっているものと考えております。
 また、教育費や産業経済費につきましては、就学前児童や小中学生の人数、農家戸数の割合が他市より多いことが要因となり上位になっているものと考えております。
 なお、普通交付税につきましては、地方交付税法の規定に基づく一定のルールから算定されているものであり、また、自治体における実際の活動を行う上での決算額とも異なります。したがいまして、交付税算定データーの多寡をもって、施策の優劣や今後の事業の展開を判断することは適切でないと考えております。

【2問目答弁】【秋元企画財政部長】ビルト&スクラップの取組の目的等についてです。
 政策事業として実施する新規・拡充のソフト事業にかかる経費が、翌年度以降に経常化し、累積していくことが硬直化の要因となることから、柔軟な財政構造を保持することを目的として、経常経費を対象にビルト&スクラップの実践に取組んでいるものでございます。
 また、主要プロジェクト等のハード事業につきましては、今後の収支見込みにおいて、将来(世代)への負担の抑制を目的とした「ハード事業の適切な選択」の取組みを基本に、一定の財源枠を設定し採択しておりますので、決して事業費を青天井に見込んでいるものではございません。

【2問目答弁】【秋元企画財政部長】ビルト&スクラップの見える化についてです。
 ビルト&スクラップの実践は、市民の皆さまのご理解とご協力のもとに成り立つものと認識しており、市全体で、ビルドがもたらす効果とスクラップにより見直す意義等を共有しながら、適切に進めて行くことが必要であると考えております。
 そのため、予算編成方針においては、ビルト&スクラップの取組みの考え方等を示しておりますほか、事業の見直し等で、市民生活に影響がある内容につきましては、市議会へ報告しながら進めております。
 また、予算関連資料としてビルト&スクラップの概要や策定された実施計画についてもホームページにおいて公表しておりますことにくわえ、広報誌や小・中学校の社会科授業におきまして市の財政状況やビルト&スクラップの必要性を説明しておりますことから、一定、「見える化」につながっているものと認識しております。

【畑中議員3問目】茨木市の地方交付税と「ビルド&スクラップ」について重ねておたずねします。
交付税算定データーは国の制度である以上は実際の施策を選択する上での参考にすべきです。見解を求めます。また「ビルド&スクラップ」の提唱者の目的と動機は、そもそもは「未来に投資出来ない自治体は落第」と政策的経費すなわち投資的経費確保を目的として、経常的経費のすえおき又は削減を主張しています。同じく提唱者は「スクラップ&ビルド」は壊してからつくるが「ビルド&スクラップ」は最初にやりたいことやるべき事を決めてそのために必要な資源を確保するために不要なものを廃止する考え方としています。
河合副市長の説明はある場所では「スクラップ&ビルド」を説明して、ある場所では「ビルド&スクラップ」の説明をし、それぞれの場面で都合の良いようにつまみ食いで説明をしているように思います。結局茨木市の財政的な基本の姿勢は政策的経費、投資的経費の確保を優先して、経常経費の据置きまたは、削減を旨としているのではないでしょうか。改めて答弁を求めます。3つ目に市長のいう「次なる茨木」は昨年9月29日の国交省主催の近畿ブロック集会での「茨木市のまちづくりにおける課題と官民連携の取組」の発言はまさにその事を宣言している内容ではありませんか。市長におたずねします。

【3問目答弁】【河合副市長】私が「ビルト&スクラップ」と「スクラップ&ビルド」をつまみ食いしているというご指摘でございますが、私といたしましてはご質問に対して出来るだけ明確に答弁をするということを心掛けてご説明、答弁をさせていただいているつもりでございます。本市といたしましても、早くから「ビルト&スクラップ」という言葉を掲げまして、「ビルド」という点に着目して新たな市民ニーズに応える新しい施策を積極的に構築していこうとそういう趣旨でこういう基本姿勢を持っているものでございまして、具体の流れにつきましては、私も先ほどの答弁以上の答弁はできない訳でございますが、決して、「つまみ食い」というのは、その場その場でのやり取りの受け止め方であろうと思っておりますが、私といたしましては、「ビルト&スクラップ」という考え方に基づいて、それをご理解いただくという姿勢で答弁をさせていただいているものでございます。

【3問目答弁】【秋元企画財政部長】交付税算定データーをふまえ施策判断することについて
 先ほど答弁もありましたけれども普通交付税につきましては、地方固有の財源として、国の制度上、地方公共団体間の財源の不均衡を調整と、必要最低限の行政サービスの提供を保障するものであり、それ故、全国統一の基準で算定されていると考えております。
 ただし、その算定においては、基準財政需要額の場合、人口や面積等の単位と標準単価から導き出されており、現実の決算額とも対応しておりませんので、交付税算定データーをもって、自治体間の施策等を判断することは適切でないと認識しております。

【3問目答弁】【福岡市長】私の9月29日の国交省主催の会議の中での発言についてのご質問にたいしてですが、お示しの会議におきましては、あくまで対話と議論により確かな未来を築いていく「次なる茨木」に向けて必要となる事業展開について説明したところでございます。本市におけるビルト&スクラップの考え方について明らかにしたものではございませんし、直接関係しているという訳ではございません。まあ、でも、遠からず関係はしておるとは思いますけれども、直接言及したものではございません。

29各年度基準財政需要額内訳推移・比較 _01 



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プロフィール

畑中たけし

Author:畑中たけし
茨木市中穂積在住、50歳
春日丘小、西中、茨木高、京都大法卒
趣味:映画鑑賞、読書

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