2019.03.14 ( Thu )
2019年3月市議会大阪府茨木市一般会計予算質疑-畑中たけし
畑中たけし市議(1問目質疑)
第1に、大阪府営安威川ダム工事の進捗状況についておたずねします。
昨年の西日本豪雨等ではあらためて治水対策としてのダムの貯水機能の限界と弊害が明確となりました。さらに安威川ダムの場合は専門家が、かねてから「堤体基礎地盤の脆弱性からダム建設には不適である」との見解も示されています。
第一に、「大阪府営安威川ダム国庫補助申請書類とその説明資料」の内容についておたずねします。2018年度申請書類の2016年度「歳出予算の執行状況【共同費】」では繰り越し率11.4%、その主な要因として、「年度当初から施工していた法面対策について、年度途中に対策対象である法面に湧水が見受けられた。これにより経過を観察しながら施工を進めることになり工程に遅延が生じた」とあり、同じく2019年度の申請書類では2017年度は繰り越し率29.8%。その主な要因として「掘削の進捗にあたり、一部切土法面として不安定な箇所が生じた。
この対応に時間を要したこと、また地質状況への対応として掘削量も増加しており、掘削工程に遅延が生じた」という記述があります。さらに同じく「掘削の進捗にあたり、一部切土法面として不安定な箇所が生じた。この対応に時間を要したこと。また地質状況への対応として掘削量も増加しており掘削工程にも遅れが生じた。さらに掘削遅延に伴って残土の発生が滞ったことから、土捨て場の整備にも遅延が生じた」との記述もあります。こうした状況により2014年度の「工事年度別予定表」の基礎掘削工事では2016年度の9月期に終了するとしていましたが、2019年度工事予定表では2018年度7月期終了で、しかも年度末の「進捗率」では93%と大幅に遅延しています。これらの報告を大阪府から受けていますか。おたずねします。
2つ目に、基礎掘削量についておたずねします。
2014年度時点では約120万㎥としていましたが、2015年度では約178万㎥と1.5倍に増えました。その理由についても大阪府からどのような説明を受けていますか。おたずねします。
3つ目に、進捗状況についておたずねします。
堤体盛り立て工事は今年度末すなわち2018年度末(2019年3月末)進捗率は36%としています。あと64%。大阪府は2021年度末に工事完了としていますが可能ですか。おたずねします。
1問目答弁
岸田都市整備部長答弁
「大阪府営安威川ダム国庫補助申請書類とその説明資料」についてであります。
ダム建設工事の状況については、必要に応じて大阪府より報告を受けております。基礎掘削量についてであります。施工計画の検討の中で隣接する左岸道路の掘削を本体工事で実施するため、その掘削量を基礎掘削の一部として計上したために変更したものと、大阪府より聞いております。
平成30年度末のダム本体工事の進捗見込みは36%でありますが、ダム本体工事の完成は、2021年度末予定と、大阪府より聞いております。
地質調査と工事の完了時期についてでありますが、提案を行うとされているのは2020年度までの業務委託の中であると、ダム本体の完成は、2021年度末予定と、大阪府より聞いております。
4つ目に、大阪府調査「グラウチング解析評価」についておたずねします。とりまとめを行い、改良土の総合評価等総合的な考察を行う。その際、顕著な水みち等の存在について、水理地質構造の解釈を行うとともに、今後実施するコア敷きのカーテン・グラウチングや左岸部のブランケット・グラウチング等に向け、留意点や課題があれば抽出・指摘するとともに、その対応方針(孔配置や施工要領の見直しなど)について提案を行う」としており、さらに2021年度以降も地質調査を継続することも示唆しています。2021年度末工事完了は可能との見解に相違ありませんか。おたずねします。
第二に、大阪府が行っている安威川ダム建設に係わる2つの地質調査の内容についておたずねします。そもそも安威川ダム堤体の基礎地盤には8系統24本の断層が存在し、軟弱地盤と地下水の水みちを形成しています。そのため大阪府はこの間、「文書①安威川ダム基礎岩盤面観察・評価業務委託調査」と「文書②安威川ダムグラウチング解析業務委託調査」を行いながら工事を行っています。ひとつは軟弱地盤を除去して「コンクリート置き換え工事」を行ったり、さらにダム堤体を作る前の掘削による岩盤のゆるみに対して、コンクリート堤体等の基礎として強固にするとともに、漏水防止の為、堤体が乗る箇所全体の岩盤へ液状のセメントを注入するいわゆるグラウチング工事を行っています。現在の調査はいずれもその終了年次予定は2020年度末としていますが、継続しての調査の必要性も指摘しています。
なお大阪府は年度末には各年次の調査の中間報告を行っていますが、専門家は種々の疑問点や問題点を指摘しています。その内容は、文書①「安威川ダム基礎岩盤面観察・評価業務委託調査」の「基礎処理」に関しては「CLl(シー・エル・エル)級岩盤の除去が問題とされています。また地下水位の高さと変位も問題で、十分には解決できていないと考えられる」としています。大阪府からどのような説明を受けていますか。おたずねします。
文書②「安威川ダムグラウチング解析業務委託調査」では、「グラウチングで処理」ですが,「F-1断層やF-6断層など断層の幅や地下への伸びへの対処などがやはり問題となる」と指摘しています。
さらに専門家は具体的指摘内容として、第1に、「F-6断層については今回,河床部上流側コア敷きで、掘削面でようやく断層の分布状況が確認され、それによると、掘削仕上げ上面で,D級からCLl(シー・エル・エル)級のダム堤体に不適な劣化部が確認されている。本来なら事前の調査で見つけるべき所です。しかもF-6断層のほかにF-6-B断層が河床部で見つかっています。また大きな問題は、上記、下流側のD級からCLl(シー・エル・エル)級のダム堤体に不適な劣化部の取り扱いですが、まず幅を確認し、それらの幅程度を仕上げ上面からさらに掘削、置換コンクリートで解決するとのことですが、水平や斜めボーリング調査などして全体像を明らかにすべきです。また河床部の上流部でもF6断層が確認されています。下流部ほど破砕帯の幅が広くないとのことですが、また劣化部(CLl級など)も見られます。更なる掘削と置換コンクリートで対応するのでしょうが、疑問である」としています。
第2に、「F-1断層ですが,垂直に深部に延び,今回の調査で右岸上流のコア敷きで,断層とCLl(シー・エル・エル)級など劣化部が確認されている。同じくF-2断層の右岸上流部でも断層とCLl(シー・エル・エル)級など劣化部も確認されている。報告書では仕上げ掘削時に,断層幅や劣化部の範囲を確認するとしているが、やはり事前にボーリング調査も含め検討し,仕上げ掘削前に確認し,掘削をどの程度行うのかも含め検討すべきと考える。また掘削と置換コンクリートだけの対応でよいかどうか疑問である。以前の報告ではF-1断層はカーテン・グラウチングが計画されていたが,それとの関係はどうなるのかも疑問である」としています。
第3に、今回F-3,F-13,F-6断層が非常用洪水吐き流入部から導入部に分布することが明らかとなった。以前の調査や設計時に、CLl級岩盤が分布することが明らかとなっていたが、これと断層はどのような関係にあるのか解明が不十分である。なお掘削し、断層やCLl(シー・エル・エル)級岩盤の深さを正確につかむことが必要で、斜めボーリング調査など行うべきである。もし断層やCLl(シー・エル・エル)級岩盤が設計時と異なり、コア敷きや監査廊敷きに分布することが明瞭となった場合は大問題で、最大限の置換コンクリートなどの工事も必要となり、工事の詳細が問われる事態となる。なおCLl(シー・エル・エル)級岩盤は、図を見るとF-13やF-6断層に沿って分布しているので、断層を追いかけながら、その部分を掘削するなどきわめて困難な工事となります。なぜなら断層に沿ってCLl級岩盤が分布することが、平面図のみで示めされ、どの深さまで劣化部があるか不明で、どこまで掘削するのか不明確。垂直の分布も明らかにされるべき」としています。
第4に、以前から問題となっていたホルンフェルスからなる左岸頂部法面の安定対策として、グラウンドアンカーの緊張力が低下していないとされているが、その証拠はあるのか疑問である。また地下水位が低下していないとされているが提示する必要がある。なお今回、水抜きトンネルの提案を行っているが、実施したのか不明。その際うまく地下水位が下がるのかどうかも疑問である」としています。
第5に、ブランケット・グラウチングはコア着岩部付近を完全もしくはそれに近い状態の遮水性をするために行われる。このように着岩部では,遮水性がきわめて重要である。しかし基礎地盤の性状は断層が多く,割れ目など水みちを防ぐ必要性がある。そのため接触部ではカーテン・グラウチングだけでなく、遮水性をさらに良くする他の工事も検討すべきである。今回大規模に掘削しているので、割れ目が開くなどの弊害もある。掘削後、その変化も見る必要がある。なお今後の計画では,堅硬な岩盤ではグラウチングを狭めるとしていますが、開く可能性もあり、孔間隔を広げるとする計画は見直すべき」としています。また遮水性の値については,他の地域のホルンフェルス地のデータから、5から10Lu(ルジオン)としていますが、この地域のホルンフェルスには細かな劈開(へきかい)やひび割れが多くあり、やはり5Lu(ルジオン)とする計画は守る必要がある。なおブランケット・グラウチングの目標は5Lu(ルジオン)ですが、表面はカバーロック1.0メートル+吹きつけモルタル0. 1メートルとしていますが、この0.1メートルが妥当かどうかも疑問がある」としています。
以上、5項目が専門家から指摘されている問題点と疑問点です。こうした点についても、安全なダムを造るという観点からも、事業者の大阪府任せではなく茨木市も大きな関心を寄せるべきです。見解を求めます。
1問目答弁
岸田都市整備部長答弁
つぎに安威川ダム基礎岩盤面観察・評価業務委託調査と安威川ダムグラウチング解析業務委託調査結果についてであります。地質調査等の結果については、専門家の意見も踏まえながら分析を行い、対策の検討を行った上で、安全な施工を行っているものと、大阪府より聞いております。
第三に、茨木市洪水ハザードマップ(平成28年6月改訂)についておたずねします。
1つ目に、ハザードマップ10ページの防災コラム2についておたずねします。『写真のように全壊家屋10戸、床上浸水1892戸、橋梁の流失及び一部損壊18箇所など茨木市で甚大な被害が発生しました。』「この北摂豪雨を契機に、安威川流域の抜本的な治水対策として安威川ダム計画が立案されました」と、橋梁の流失及び一部損壊18箇所も流木によるもので直接の因果関係のない話です。茨木市も大阪府も原因と対策が乖離した記述に相変わらず終始しています。同じく写真等の春日丘松景園、東道祖本、あけぼの橋、春日丘小学校、山下橋、五日市などはいずれも「安威川ダムによる抜本的な治水対策」に足りえないものです。いつまでこうしたフィクションに頼るのか。あらためて見解を求めます。こうした安威川ダムの建設が土砂災害や内水災害防止に大きな効果を発揮するかのような表現は止めるべきと指摘してきました。あらためて見解を求めます。
2つ目に、「安威川等の洪水ハザードマップ」についておたずねします。 この氾濫シミュレーションの出典は大阪府が策定した洪水リスク表示図(200年確率降雨)として、現状における複数の小学校区を区分した浸水の危険度では4つに色分けしています。とくに34ページの西河原、太田、三島、庄栄小学校区の浸水深度5メートル以上濃い紫の地域があります。こうした建物1階部分が浸水し生命に直結する被害が発生するとされている町名と理由をお示し下さい。また安威川本川流域に濃い紫の地域は存在するのか。さらに12月市議会でおたずねしたダム建設後も危険度Ⅲに該当する地域は現状の浸水深度5メートル以上濃い紫の地域と一致しているのかもおたずねします。
3つ目に、千歳橋水位測定地点の2017年と2018年の河川最高水位についておたずねします。
昨年7月5日~6日の3.8メートルと聞いています。この水位は流量に換算して、何㎥/毎秒になるのか。また千歳橋水位測定地点の流下能力は何㎥/毎秒になっているのかもあわせておたずねします。
1問目答弁
岸田都市整備部長答弁
安威川等の洪水ハザードマップにおける浸水深度5メートル以上の地域についてであります。12月議会でもお答えしましたとおり、議員ご指摘の「ダム建設後の危険度」を示す資料は、大阪府河川整備委員会においてダム完成後に計画以上の降雨があった際の被害の程度を検討した資料と聞いております。「安威川等の洪水ハザードマップ」はダムがない場合の洪水リスクを表示しており、前提条件が異なっておりますので、当然、各地区での浸水リスクは異なっております。
1問目答弁
西川危機管理監答弁
本市洪水・内水ハザードマップにおける防災コラム2の内容等につきましては市民の皆様の防災意識の高揚を図るため、本市において発生した大規模な水害事例である昭和42年7月の集中豪雨、いわゆる北摂豪雨による被害状況並びに、この北摂豪雨を契機に大阪府において安威川ダム建設計画が立案されたことについて紹介しているものです。
つぎに本市洪水・内水ハザードマップで浸水深度が5メートル以上になる地域の町名についてであります。
本市洪水・内水ハザードマップの浸水危険度については、大阪府作成の洪水リスク表示図に基づき作成しており、具体の町名が示されていないことから把握はしておりません。ただし、浸水深度が5メートル以上となっている該当エリヤについては、花園一丁目付近であると認識しております。なお、当該エリヤ以外に浸水深度が5メートル以上と想定されている地域につきましてはございません。
1問目答弁
大塚副市長答弁
浸水深度が5メートル以上なると予測される理由についてでありますが、当該地域の土地の地盤高が低いことが主な理由でございます。 千歳橋の水位が3.8mの時の流量と千歳橋付近の流下能力についてであります。
府からは、千歳橋付近の水位3.8mでの流量は、これは計算値ではありますけれども、毎秒790立方メートル程度と算定出来るという風に聞いております。
また、流下能力は、河川整備計画の安威川流下能力から推定すると概ね、毎秒1200立方メートルと考えられるとのことでございます。
第4に、安威川ダム周辺整備基本構想案についておたずねします。
1つ目に、構想案についておたずねします。
3月に構想案を議会や地域に説明するということですが、どうなりましたか。立ち寄り予測人口の想定と根拠についてお示し下さい。また茨木市の用地取得と基盤整備についての初期投資額もお示し下さい。
2つ目に、景観上の問題点についておたずねします。
治水専用ダムのため湛水面積は狭少でしかも濁水発生の可能性も高く景観上の問題点も指摘されています。
3つ目に、湛水による地すべり発生のリスクについておたずねします。
4つ目に、民間資金を活用した安易な観光資源の活用ついておたずねします。到底将来があるとは思えません。それぞれ見解を求めます。
1問目答弁
岸田都市整備部長答弁
つぎに安威川ダム周辺整備基本構想案についてであります。
基本構想については、1月の特別委員会でご報告しましたとおり、3月末を目途に取りまとめてまいります。議会や地域の方々へのご説明は、それ以降に進めてまいります。
立ち寄り予測人口の想定については、平成21年8月に府市で策定した「安威川ダム周辺整備基本方針」において、年間100万人規模の集客ポテンシャルがあると推計しており、その根拠としましては、類似の自然公園や都市公園の利用調査等を用いております。この想定については、今後の立地施設の配置等によって変わってくるものと考えております。
市の用地取得と基盤整備にかかる初期投資額については、現在精査中であります。
濁水発生の可能性についてであります。
ダム上流からの濁水の流入については濁水防止フェンスにより、ダム湖の富栄養化に対しては曝気装置の設置により、それぞれ対策していく、と大阪府より聞いております。ダム湖の水質が景観等に及ぼす影響については大きいと考えられ、市としても濁水の流入等について、河川管理者等とともに注視してまいります。
つぎに湛水の影響による貯水池内の地すべりのおそれはないと、大阪府より聞いております。
民間資金を活用した観光資源の将来性についてであります。
市といたしましては、ダム周辺を市北部地域のハブに位置付け、地域活性化の拠点として整備してまいりたいと考えております。そのためには、公共と民間の協調・協働が不可欠であり、市としても、水源地域整備計画に基づく財源を活用して、地域振興に資する拠点施設等に投資を行い、運営面で民間事業者の支援を頂きながら、持続可能な事業が行えるよう、取り組んでまいります。
畑中たけし市議(2問目質疑)
ダム建設工事進捗状況について重ねておたずねします。
ダム建設工事進捗状況については、「必要に応じて、大阪府より報告を受けている」とのことですが、これまで指摘した事実について、本市議会特別委員会に報告したことはあるのでしょうか。また報告を大阪府から受けた日付と文書名をお示し下さい。
また、基礎掘削量の増加について、左岸道路掘削を本体工事で実施することとなったとのことですが、2016年度の地質調査では、「左岸基礎掘削」について、「左岸部のコア敷き基礎掘削面に分布するホルンフェルスの性状について、調査時に想定しているものと異なっている場合には岩盤区分要素の組合せと岩級の対比についての追加、割れ目の性状による組合せによる岩盤透水性区分の評価の追加等を行う必要がある。左岸部のコア敷き基礎掘削は設計時より1:0.95と急勾配での掘削となっており、これまで施工を進めている右岸のように切り下がってからの大規模な掘削形状の見直しは困難な状況にある。そのため、左岸掘削を本格的に行う際には、随時情報を更新し、河床部までの全体的な岩盤状況について想定しながら掘削を進めていく必要がある。また、左岸コア敷きの高標高部(非常用洪水吐き導流部基礎周辺)は設計当初より、CLl(シー・エル・エル)級岩盤が分布することが懸念されており、今後想定の岩盤分布が認められた場合にはこれらを掘削除去し、コンクリートで置き換えることが想定される。なお掘削除去する際には、監査廊及び非常用洪水吐き導流部としての基礎条件や、EL.100mに調査横坑が分布していること等を考慮して掘削形状を決定する必要がある」との記述があります。これが原因ではありませんか。市におたずねします。
次に、ダム堤体盛り立て工事の進捗率についておたずねします。
2017年度末=昨年度末の進捗率は13%、2018年度末=今年度末は36%と単年度進捗率はわずか23%です。これでは2021年度末終了は困難ではありませんか?あらためて市の見解を求めます。
次に、地質調査の実施と工事の完了時期について、重ねておたずねします。2018年度の地質調査中間報告では「コア敷きの基礎掘削(仕上掘削)」「設計当初より、コア敷きに分布する比較的規模の大きい断層としては、F-1断層およびF-6断層を想定していた。F-1断層については既往検討業務にて掘削面で分布状況を確認し、置換コンクリート形状(案)をFEM解析によって検討されている。F-6断層(河床部下流側コア敷き、左岸部上流側コア敷き)においては、本業務にて掘削面で分布状況を確認し、仕上掘削面における断層及び劣化部(D級~CLl級)の幅を確認し、それらの幅程度を仕上掘削面から深く掘削し、置換コンクリート形状を検討した。一方、河床部上流側コア敷き(粗掘削面)で確認されたF-6断層については、上記箇所よりも断層及び劣化幅が狭いことから確認され、仕上掘削時にそれらの幅を確認し、処理対応を検討する必要がある。また、F-1断層及びF-2断層(右岸部上流側コア敷き)においても同様に、仕上掘削時に断層及び劣化幅を確認し、処理対応を検討する必要がある。上記以外の断層及び割れ目沿いにCLl級岩盤については、粗掘削面において幅が狭いことが確認されているが、仕上掘削時にそれらの幅を確認し、処理の必要性の有無を検討する必要がある。図- 5.2~図- 5.3に主な検討必要箇所の位置図を示す」とする記述があります。そしてそれによるとコア敷き河床部で調査済みは8箇所中2箇所、同じく右岸部では7箇所中2箇所と未調査部分が多数残っています。すなわち2020年度中に調査が完了するのは不可能です。また「顕著な水みち等の存在について、水理地質構造の解釈を行う」との記述もあります。詳細な調査の継続を大阪府に求めるべきです。市の見解を求めます。
畑中たけし市議(2問目質疑)
大阪府実施の地質調査結果の疑問点と問題点について、重ねておたずねします。
専門家によれば、最大の問題点は「F-1断層などダム堤体には数多くの断層が分布し,これら断層は馬場断層の副断層で、8-12万年前と大阪府のデータがあり、地表部では若い沖積層を変位させており活断層」である。との指摘です。水理地質構造の調査を実施して、詳細な断層調査の実施を求めます。答弁を求めます。もう一つは「-1断層のように急傾斜(垂直に近い鉛直方向)で、厚い断層破砕帯を形成しており、断層粘土を含む破砕岩からなる。そのため、岩盤等級はCLl級とダム堤体に向いておらず、削掘とグラウチングで対応しようとしているが、CLl級岩盤は鉛直方向に延びるため、1m削掘したが、取りきれず、グラウチングが予定されているが、高圧で注入しても深部までグラウトできず、軟弱地盤がダム堤体に残り、大きな問題となる。同じことは右岸のF-4断層、F-7断層などでも見られる」としています。抜本的な調査の継続と現状の解析を大阪府に求めるべきです。見解を求めます。
2問目答弁
岸田都市整備部長答弁
ダム建設工事の進捗状況については、特別委員会において、ダム本体工事やダム関連工事といった大きなくくりで、その都度報告しております。
つぎに基礎掘削量についてでありますが、左岸道路工事関連の掘削をダム本体工事で実施することとしたため、掘削量が増加したものと、大阪府から聞いております。
ダム提体盛り立て工事の完成時期につきましても先ほど答弁しましたとおり、ダム本体工事の完成は、2021年度末予定で変わらないと、大阪府から聞いております。
また、地質調査を踏まえた工事の完了時期につきましても地質調査等の結果については、専門家の意見も踏まえながら分析を行っており、ダム本体工事の進捗に大きな影響はないと、大阪府から聞いております。
つぎに地質調査結果についてであります。
先ほど答弁しましたとおり、専門家の意見も踏まえながら分析を行い、対策の検討を行った上で、安全な施工を行っていると、大阪府から聞いております。
畑中たけし市議(2問目質疑)
ハザードマップの内容と表現について重ねてお尋ねいたします。
「防災コラム2」の内容については、この記述すなわち「安威川流域の抜本的な治水対策として安威川ダム計画が立案されました」からは、安威川ダムの完成で土砂災害も、内水災害も、流木被害などあらゆる豪雨災害が防御されるとの誤解が出るのは必至です。市がどのような意図でこのコラムを作成したのであれ、市民がこのコラムを読めば「安威川流域の抜本的な治水対策として」と記述されていることから、ダムが完成すれば流木で発生した橋梁の流出や一部損壊18箇所のような被害は防がれる、地域住民がかつて体験した「春日丘松景園・道祖本・春日丘小学校・五日市」などで発生した被害が防がれるとのミスリードが起こるのではありませんか。原因と結果について市民が正確な理解に及ぶ表現に改善すべきです。さらに、マップそのものも危険な地域の具体的把握は壊滅的な被害を回避する最低限の内容です。どこが危険なのか具体的な町名も一目で分からないハザードマップは用をなしません。市の見解を求めます。つづけてハザードマップについておたずねしますが、前提条件が相違しても、同じ200年確率降雨で、「ダムが建設された後でも浸水危険度が3と高くなっている地域がある」という予測ですが、これも該当の町名(庄1丁目付近?)と理由をお示しください。
(2問目)千歳橋基準点についてお尋ねします。
堤防までの高さ約7メートルの千歳橋地点での流下能力は毎秒1200立方メートルとのことですが、洪水警報が出される水位と流量(量と%)、避難準備報が出される特別警戒水位の水位と流量(量と%)、避難勧告の氾濫危険水位の水位と流量(量と%)をそれぞれお聞かせください。
2問目答弁
岸田都市整備部長答弁
つぎにハザードマップにおける浸水深度5m以上の地域についてであります。
議員ご指摘の資料において危険度Ⅲが生じている地区は、庄一丁目付近であると思われ、土地の地盤高が低いことが主な理由と考えられますが、ダム建設後の方が浸水危険度は低減される予測となっております。
2問目答弁
西川危機管理監答弁
本市洪水・内水ハザードマップの内容と表現についてであります。
このハザードマップは、国や府等の資料等を基に洪水等に関する被害想定や危険度などを視覚的に確認できるよう地図に示すとともに、コラムを含め、市民の皆様の防災・減災の取り組みや避難行動等に役立つ様々な情報を記載したものでございます。現時点におきまして本ハザードマップの内容等について変更する考えは持っておりません。今後とも、市民の皆様の自助・共助につながるよう、周知等に努めてまいります。
2問目答弁
大塚副市長答弁
洪水警報が発表される条件についてでありますが、府からは、安威川の洪水警報は、基準地点である千歳橋付近の水位が一定時間後に氾濫危険水位に到達することが見込まれるとき、あるいは特別警戒水位に達し、さらに水位の上昇が見込まれるとき、氾濫危険水位に到達したとき、氾濫が発生したときという場合に、大阪府と大阪管区気象台が共同で発表するという風になっているという風に聞いております。避難情報の発令に関わる氾濫危険水位については、データを持ち合わせておりませんが、特別警戒水位は3.65m、流量は計算上の値となりますが、毎秒740立方メートル程度と算定されます。これは流下能力の約62%となります。氾濫危険水位は4.0m、流量は毎秒850立方メートル程度と算定され約71%になると考えられるとのことでございます。
畑中たけし市議(2問目質疑)
安威川ダム周辺整備基本構想案について重ねておたずねします。
パートナー事業者の公募などの経費が予算化されているこの議会の冒頭に説明すべきではありませんか。また「パートナー事業者」とは地方自治法上の法的位置付けはどうなっているのでしょうか。答弁を求めます。また事業者の公募選定の要項はどうなっているのでしょうか。答弁を求めます。さらにかつて大阪府の監査委員は「集客ポテンシャルは過大」としました。集客の継続性も含めて、適正な予測をすべきではありませんか。答弁を求めます。また茨木市の財政支出ですが、「本市の財政負担の考え方」として、地域振興ゾーンである事業区域外の用地取得と基盤整備を含めたインフラ整備」とし、さらに「提案に応じた行政の財源投資が可能な範囲」として、「とくに民間事業者が独自に実施する収益施設についても検討の対象」としています。これは例えば「大江戸温泉物語・箕面観光ホテル」と同種の施設も対象になるのか、おたずねいたします。また大阪府が過大に取得した11ヘクタールの用地の利用はどうなっているのでしょうか。答弁を求めます。またダムの堤体建設地のみならず、左岸や右岸の地質状況も脆弱です。湛水後を想定しての抜本的調査を求めます。答弁を求めます。いずれにしてもダム湖を観光資源として活用しての成功例は少数です。当該基本構想と計画の撤回を求めるものですが、市の見解を求めます。
2問目答弁
岸田都市整備部長答弁
つぎに安威川ダム周辺整備基本構想については現在とりまとめているところであり、策定した後に説明を行ってまいります。また、「パートナー事業者」とは、契約締結に向けた協議を行う優先交渉権者として公募により選定するものであり、地方自治法に基づく契約の相手方で
はございません。公募要項については、基本構想に基づき平成31年度に作成してまいります。
立ち寄り予測人口については、周辺整備の内容によって異なってくるものであり、継続した集客につながるよう取り組んでまいります。
周辺整備における財政負担でございますが、原則、民間事業者の独立採算による事業については民間事業者で整備されるものと考えおり、ご指摘のような施設もこれに該当するものと考えます。また、大阪府がダム事業区域として取得した用地についても、民間事業者との対話型ヒアリングで利活用のアイデアを求めているところです。
つぎに湛水による地すべり発生のリスクについてでありますが、湛水による影響はなく、抜本的調査の必要はないと、大阪府から聞いております。
また、ダム周辺整備事業推進についてでありますが、市といたしましては、ダム湖を含む周辺地域を貴重な資源と捉え、北部地域の課題解決につなげていくことを目指しており、基本構想に基づく事業の推進に取り組んでまいります。
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